僕が中学一年の時 うちにはレコードを再生するプレーヤーがなかった。貧乏だったのだ。1971年のことだ。テレビでは東芝BostoneのステレオのCMになんとBeatlesの「Let It Be」の画像が流れた。僕はしびれた。僕の友達に増せたやつがいて彼は近所のレコード屋でBeatlesの[Let It Be」のシングルレコードを買った。僕とBeatlesの初めての出会いだった。彼の家でBeatlesを何度も聴いて何度も感動した。当時僕は自分で作ったラジオでAMやFMから流れる音楽を夜遅くまで聴いていた。そんな僕を見ていたのか、しばらくして親父が小さなレコードプレーヤーを買ってくれた。(その後 父親が買ってくれたのは、ピンカラトリオの「女の道」とちあきなおみの「喝采」のレコードだけだった。)でも僕はうれしかった。おこずかいを貯めて、すぐに「Let It be」のシングルを買った。よく響く家のお風呂場にプレーヤーを持ち込み擦り切れるまでレコードを聴いた。そのあとも Baetlesのレコードを買った。Hey Jude、Yestaday・・・。でも当時既にBeatlesはもう解散していたんだね。
同じ年 NHKで「70年代われらの世代」って番組があった。「自由、戦争、エネルギー、公害、SEXなど社会問題、国際問題」がテーマだった。今から思えば革新的な番組だったと思う。今のNHKは見習ってほしい。当時はベトナム戦争が当たり前のようにあって、この先世界はどうなるのだろうって時代だったと思う。この番組のなかで悲惨な戦争を論じながら画像のバックに流れていたのがJoneの「Imagine」だった。子供ながら なんと 心うずく曲なんだと思った。涙が出そうになった。NHKの解説者が「このビートルズの曲のように本当に世界が平和に暮らせる日が来るのでしょうか?」と番組を締めくくった。僕はその日からJoneのファンになった。中学校時代のおこずかいはすべてBeatlesのレコードの購入に充てた。