2015年08月29日
真夏の日曜大工
2015年02月26日
おてんとうさまはいつでも私を見てくれている?
家を建てたときにまさか太陽光パネルを屋根に上げるとは考えていなかった。ラッキーなことに我が家の屋根は、南向きの切妻屋根である。おまけに 角度は浅いが南向きの片流れ屋根もある。切妻屋根の角度は30° ログハウスの片流れ屋根は6°となっている。さて この屋根の角度は、発電量にどのくらいに影響を与えるのか。簡易シミュレーションをすることにした。
上の屋根は角度30°、下のログハウスの屋根は6°しかない。工事は結構簡単で何と屋根3面 パネル44枚設置で2日間で終了した。
こちらは、ログハウスの屋根のパネル。このパネル強化ガラスで覆われており、なんと人がのっても割れない。像がのっても壊れない?
話を元に戻して、さて太陽光の地面との角度はいくらであろうか。地球は球体であるから、その地点の緯度だけ太陽光パネルを傾ければ太陽光が垂直にパネルにあたり、発電効率は最大になる。私の住んでいる滋賀県日野町は北緯35°だからパネルも35°傾ければいいことになる。しかし屋根はそんなに都合よくできていない。6°の屋根の効率はいくらくらいなのだろう。
シミュレーションには、もうひとつの要素も考えねばならない。太陽の高度の季節変化だ。前回も述べたが、地球の地軸は、公転軌道面に対して23.4°傾いている。すなわち、春分の日と秋分の日の太陽光の入射角に対し、夏至と冬至では、±23.4°の差がある。北緯35°、屋根の角度35°の場合、太陽光の入射角度は、冬至で66.6°(90-23.4) 夏至113.4°(90+23.4)となる。この入射角をθとした場合、太陽光の強度はsinθで表わされる。
グラフ1では、屋根の角度(パネルの角度)35°、25°、15°、5°の時の太陽光の強度その季節変化を計算してみた。縦軸は、パネルへ垂直に太陽光があたった時の強度を1.0としている。やはり屋根角度35°の時は、季節変動が少なく、春分の日、秋分の日に最大値1.0となる。屋根角度が5°の時は、夏場は良いが冬場は60%程度まで減少してしまう。夏と冬で屋根の角度を変えられれば言うことなしなのだが。
グラフ1 季節 屋根角度と太陽光強度の関係
このグラフ1の値を年間にわたり時間積分したものが年間のエネルギー量と考えられる。計算すると表1のようになった。
屋根角度 | 年間のエネルギー量(%) |
35° | 100 |
25° | 98.4 |
15° | 93.9 |
5° | 86.5 |
表1 屋根角度と年間のエネルギー量
うちのログハウスの屋根は、効率がガクッと落ちて86.5%だ、、、残念。ちなみに、この値には、夏と冬の日照時間の差や時間による太陽高度の差を考慮していない。さて 実測値はいかがなものでしょう。おてんとうさまはいつでも私を見てくださっているのでしょうか。乞うご期待です。
補足説明
一般に地球上の気温は、赤道上が最大で極地が最低である。私はこれは、緯度により太陽から遠ざかるためだと思い込んでいた。今回の研究でそれは間違いで、太陽光の地上表面への入射角が違うためだとわかった。日本でいえば、沖縄や九州は、太陽光発電に有利で、北海道は不利だと思い込んでいた。しかし その差があるとすれば天候の違い、積雪量などの違いによるものだ。厳密に言えば太陽光パネルが常に90°の入射角で太陽光を受光できれば年間同じ電力が発電できるはずだ。太陽からの距離でいえば、地球の公転軌道は楕円形であり、1月にもっとも太陽に接近し、7月に最も遠ざかる。その距離の差は、太陽の直径の数個分である。日本が冬の時が一番太陽に近い。今回、気温が高い地域は太陽光が強く、発電に向いていると勝手に思い込んでいた私の間違いを正せた。