2015年03月21日

バッテリーBOXの製作

 やっと春やしくなってきた。1月2月は寒過ぎて車庫で作業なんかする気分になれなかったが、3月の半ばを超えると急に暖かくなってきて勝手に体が動く。これが 仕事だったらそんな甘いことも言ってられないだろうに。まったく身勝手なものだ。

 そんなわけで 早速 バッテリーBOXを組むことにした。材料は、厚み12mmのコンパネとアルミ製アングル材、そして建築用の5mm厚 ポリカーボネイトの平板である。ポリカの耐候性は非常に高く、20年前に建てた車庫の屋根の波板がいまだに割れずに役目を果たしていることに驚いている。今回ぜひ使いたかった材料だ。BOXの大きさは幅930mmx奥行き850mmx高さ250mmとした。これは ベースカーのトランクの寸法的な制約と搭載バッテリーの数と大きさと数から決定した。

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ポリカの樹脂版は2枚重ねで剛性をアップした。なかなか良い感じだ。

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しかしながら「魂は細部に宿る。」である。このあたりが親父のち密さにまだまだ追いつけないところで私の欠点だ。

このBOXに、12V 40Ahの鉛バッテリーが24個入る。総電力量は11.5kwhとなる。これは、日産リーフの容量の半分以下だ。総重量は270kg程度になる。最初からLi電池での挑戦はせず、まずは地道に鉛バッテリーで車の完成度を目指すこととした。Li電池は、未だBMS(バッテリーマネジメントシステム)が不安定なものが多く実用に耐えるものが個人では手に入りにくい状況にあるそうだ。そういう意味では、鉛バッテリーの方が、性能は低いが、耐久性と扱いやすさ、コストの安さでは勝る。

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ベースカー メルセデスベンツS500のトランクに載せてみた。なんだか小さく感じる。これで一体どのぐらい走れるのだろうか。
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2015年03月19日

オートマチックトランスミッションのメカニズム考察

 オートマチックトランスミッションのオーバーホールも最終段階となった。あとは、バルブボディーを組み付けるだけだ。しかしながら、オーバーホールをしてもこの部品のメカニズムの理解が全く進んでいない。今回は、ちょっと時間をとってメカニズムの勉強をすることとした。

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最終段階にきたオートマチックの本体。

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こちらは 部品の組立て図。いくら眺めてもメカニズムはさっぱりわからない。

まずは、遊星歯車機構とはなになのかを調べる。

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図1 遊星歯車機構は三種類の歯車でできている。中心の太陽ギア(黒)、その周りの遊星ギア(白)、外周のインターナルギア(赤) 図はスター型と呼ばれる動作モードで遊星歯車の公転を止めている。出展wiki

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図2 プラネタリ型。こちらは 外周のインターナルギアを止めた動作モードである。この場合、遊星歯車が太陽歯車の周りを公転する。


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図3 上の図は、ソーラ型と呼ばれる太陽歯車を固定した動作モードである。この場合は、遊星ギアの公転とインターナルギアの回転が起こる。二つの回転方向は同方向でインターナルギアの方が速く回る。

 太陽歯車の回転数が一定でも、遊星歯車の公転回転数により外周のインターナルギアの回転数が変わる。この逆も言える。インターナルギアの回転数を制御することで、遊星歯車の公転回転数をコントロールできる。オートマチックトランスミッションでは、この3つの動作モードを駆使し入力軸の回転数を変速している。

次にオートマチックミッション 前進4速後進1速の機構モデルを書いてみた。

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この図において、同じ色は同じ回転数で回る部品である。(赤:出力軸、リアの遊星ギア、フロントのインターナルギア。黄:インターナルギア。黒:フロントの遊星ギア。ピンク:フロントの太陽ギア。青:入力軸とリアの太陽ギア。)構造的には、フロントとリアの二つの遊星歯車機構を組み合わせた格好だ。C1〜C4は 油圧で接続のオン オフをコントロールできるクラッチ、B1,B2は、それぞれ回転を止めるブレーキ、O1,O2は、回転を一方向に制限するワンウェイクラッチである。ワンウェイクラッチはクラッチという名前がついているが、一方向にだけ回転するベアリングである。自転車の後輪ギアと車軸との間に入っている。これらのクラッチとブレーキをバルブボディーで油圧経路を切り替えることで作動させ減速比(増速比)を自動的に切り替える。

1速の時は、リアのインターナルギアが停止して、リア遊星歯車機構の減速比で出力されているのがわかる。図2と同じ状態がここで実現している。

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2速の時は、リアのインターナルギアが、順方向に回転をはじめ、1速より早い速度で出力軸が回転する。この場合、フロント遊星歯車機構において太陽ギアが固定され、図3と同じ状態が実現している。

図には示さないが、3速では、入力軸と出力軸が同じスピードで回り、4速では、これが増速されオーバードライブとなる。

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最後に、 リバース回転、すなちバックの時である。この場合は、フロント遊星歯車機構の遊星ギアホルダーがブレーキで回転を止められ、C2クラッチで太陽歯車が入力軸に接続される。このことにより、インターナルギアが逆回転をする。図1と同じ状態がフロント遊星歯車機構で実現している。

これらの 変速のタイミングは、車速やアクセル開度、加速時や減速時で変化させる機構が別途ある。電気自動車に適応させるために、このタイミングを再設定する必要があるかもしれない。

遊星歯車機構1個でも完全に理解するのはややっこしいが、これが2個組合され、それぞれの接続やブレーキをコントロールしているメカニズムは理解するのが結構難しい。最近の7速オートマなんかはこの遊星歯車機構が3つ組み込まれている。なんでも 原理が理解できればあとは力仕事の応用だ。今回は、最もシンプルな構造をある程度理解できたのでこれで良しとしよう。
posted by kogame3 at 16:20| Comment(0) | 改造電気自動車W140

2015年02月07日

自分にしかできないこと

 電気自動車用モーターやコントローラ、電池などのパーツが各社から販売されている。さてこのままこの部品を取り付けるだけで電気自動車は出来てしまうのだが、私がわざわざリスクをとって開発している理由はなになのか。自問自答の日々である。自分らしさをどう発揮するか、「私の売り」をなににするかである。

 ということで 昔取った杵柄(きねづか)をもう一度握り直し、CAD画面とにらめっこの日々である。歳を取ると細かい作業がおっくうになり面倒くささが先に立つ。30年前取得した「機械プラント製図作業一級」の技能検定。会社ではなんの評価もなかったが内心ちょっと自慢でもあった。この設計段階でのちょっとしたミスが、現物では取り返しのつかない大失敗につながる。

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巨大なモーターをどのように車体にマウントするかが大きなポイントとなる。既存のエンジンマウントをなんとか再利用したいのだが・・。

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オートマチックミッションとモーターの連結板。オートマミッションの現物のスケッチから図面に落とす。ここでもミスは許されない。

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モーターとオートマミッションのカップリング。MAX6000rpmレベルの回転数と160N・mのトルクを伝導せねばならない。

 今回の改造電気自動車は半分自分自身の勉強のため、メーカーの言いなりの部分が大きい。この先何をオリジナルにして特徴を出していくのかしっかり見極めていきたい。技術者の醍醐味は自分にしかできない技術を世の中を良くするために提供することにあるのだから。
posted by kogame3 at 11:31| Comment(0) | 改造電気自動車W140