2015年07月02日

新帝国主義の時代?

日常生活に好景況感があまりない中で、日経平均が2万円を超え、株式だけが高騰している感

がある。片やEU2%に満たない経済規模のギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ると日経

平均は瞬時に暴落した。これらの現象は何を意味しているのだろうか。


ピケティ「21世紀の資本」では、興味深い数字を提示している。世界の富の50%をその人口の1%の富裕層が独占し、残りの50%を人口の99%がシェアする時代になる。この富の偏在傾向は年々進んでいる。富裕層はこの莫大な富を消費することなく、財テクに回す。逆に貧困層は少ない資産を消費しないと生活できない。すなわち年々この富の偏在、格差が進むと、世界で消費できる富は減少する傾向にある。株式や土地、貴金属など金融ゲームばかりにお金が回り、実体経済は衰退する。私たちがその有効性を信じてやまない資本主義はついに終焉に向かっているのだろうか。


帝国を億単位の巨大人口を擁する広域的多民族国家と捉えるなら、アメリカ、ロシア、中国、そしてEUが現代の新四大帝国として頭に浮かぶ。日本はどの帝国にも属していない国である。強いて言うなら、アメリカ帝国主義の中にうまく組み込まれているのかもしてない。安保法制議論を聞いているとアメリカ帝国主義の中での地位を上げる努力をしているようにも見えてくる。そして中華思想の強い中国帝国に組み入れられないように懸命にもがいている。ロシア帝国のウクライナ問題、中国帝国の東シナ海、南シナ海での海洋進出問題など、いま世界では帝国主義、覇権主義が目に余る状況にある。特に中国のそれは、桁外れた人口を持つ帝国としてその潜在的脅威はおおきい。そういう意味では、EU帝国(ドイツ帝国?)にとってのギリシャ問題は単に一国家の経済問題ではない。ギリシャがEU帝国を離脱し、ロシア帝国や中国帝国に組み入れられることになれば大変な政治問題である。この帝国のほころびはやがてスペイン、イタリアなどに広がりEU帝国の崩壊が始まる。だから大問題なのである。


 第2次大戦後、世界の歴史は、紆余曲折はあるものの、欧米文化中心の現代的な自由と民主主義、人権重視の原理のもと、国民福祉国家建設の理想方向に進んでいると思い込んでいた。経済システムとしては修正資本主義が唯一の成功例としてきた。とくに第二次大戦の敗戦国である日本国民は内外からこの刷り込みをずっと受け続けてきたと思う。少なくとも私はそう信じきってきた。だから、今イスラム文化圏で起こっていることは理解不能であるし、上記の新帝国主義の台頭も見逃してしまいそうだ。資本主義経済システムが行き詰まりを見せ始めていることもわからないでいた。しかし、世界のリーダーたちはこの世界新秩序を構築するためのパワーゲームをすでに始めている。プーチンは核の威嚇をちらつかせ、中国は領有権で対立するスプラトリー諸島を埋め立て、3000mの滑走路を造り、AIIBを立ち上げ巨額の資金をアジアにばらまく。4大帝国のはざまでイランの核開発問題は、パキスタンのそれとともにイスラム世界に核を拡散させる危険性が大きい。彼らが他の帝国支配から逃れ、自らの帝国をつくるためには核を持つしかないのである。欧米は、オバマのレームダックとギリシャ問題でガタガタである。ひょっとして世界の歴史は上記の一方向に流れているのではなく、過去に回帰しているのかもしれない。さて、日本の舵取りはどうするのだろう。戦後レジュームから脱却して日本はどこに向かうのだろうか。

posted by kogame3 at 22:28| Comment(0) | 日記
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