2015年02月26日

おてんとうさまはいつでも私を見てくれている?

 家を建てたときにまさか太陽光パネルを屋根に上げるとは考えていなかった。ラッキーなことに我が家の屋根は、南向きの切妻屋根である。おまけに 角度は浅いが南向きの片流れ屋根もある。切妻屋根の角度は30° ログハウスの片流れ屋根はとなっている。さて この屋根の角度は、発電量にどのくらいに影響を与えるのか。簡易シミュレーションをすることにした。


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上の屋根は角度30°、下のログハウスの屋根は6°しかない。工事は結構簡単で何と屋根3面 パネル44枚設置で2日間で終了した。


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こちらは、ログハウスの屋根のパネル。このパネル強化ガラスで覆われており、なんと人がのっても割れない。像がのっても壊れない?


 話を元に戻して、さて太陽光の地面との角度はいくらであろうか。地球は球体であるから、その地点の緯度だけ太陽光パネルを傾ければ太陽光が垂直にパネルにあたり、発電効率は最大になる。私の住んでいる滋賀県日野町は北緯35°だからパネルも35°傾ければいいことになる。しかし屋根はそんなに都合よくできていない。の屋根の効率はいくらくらいなのだろう。


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 シミュレーションには、もうひとつの要素も考えねばならない。太陽の高度の季節変化だ。前回も述べたが、地球の地軸は、公転軌道面に対して23.4°傾いている。すなわち、春分の日と秋分の日の太陽光の入射角に対し、夏至と冬至では、±23.4°の差がある。北緯35°、屋根の角度35°の場合、太陽光の入射角度は、冬至で66.6°(90-23.4) 夏至113.4°(90+23.4)となる。この入射角をθとした場合、太陽光の強度はsinθで表わされる。


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グラフ1では、屋根の角度(パネルの角度)35°、25°、15°、5°の時の太陽光の強度その季節変化を計算してみた。縦軸は、パネルへ垂直に太陽光があたった時の強度を1.0としている。やはり屋根角度35°の時は、季節変動が少なく、春分の日、秋分の日に最大値1.0となる。屋根角度が5°の時は、夏場は良いが冬場は60%程度まで減少してしまう。夏と冬で屋根の角度を変えられれば言うことなしなのだが。



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     グラフ1 季節 屋根角度と太陽光強度の関係



このグラフ1の値を年間にわたり時間積分したものが年間のエネルギー量と考えられる。計算すると表1のようになった。


屋根角度年間のエネルギー量(%)
35°100
25°98.4
15°93.9
86.5

表1 屋根角度と年間のエネルギー量


うちのログハウスの屋根は、効率がガクッと落ちて86.5%だ、、、残念。ちなみに、この値には、夏と冬の日照時間の差や時間による太陽高度の差を考慮していない。さて 実測値はいかがなものでしょう。おてんとうさまはいつでも私を見てくださっているのでしょうか。乞うご期待です。


補足説明

一般に地球上の気温は、赤道上が最大で極地が最低である。私はこれは、緯度により太陽から遠ざかるためだと思い込んでいた。今回の研究でそれは間違いで、太陽光の地上表面への入射角が違うためだとわかった。日本でいえば、沖縄や九州は、太陽光発電に有利で、北海道は不利だと思い込んでいた。しかし その差があるとすれば天候の違い、積雪量などの違いによるものだ。厳密に言えば太陽光パネルが常に90°の入射角で太陽光を受光できれば年間同じ電力が発電できるはずだ。太陽からの距離でいえば、地球の公転軌道は楕円形であり、1月にもっとも太陽に接近し、7月に最も遠ざかる。その距離の差は、太陽の直径の数個分である。日本が冬の時が一番太陽に近い。今回、気温が高い地域は太陽光が強く、発電に向いていると勝手に思い込んでいた私の間違いを正せた。



posted by kogame3 at 21:50| Comment(0) | DIY

2015年02月24日

なぜ いつも 月ではウサギが餅をついているのか?

 当たり前のことだが、昔も今も、夏でも冬でも、満月の時も半月の時も、世界中どこでもお月さまはおんなじに見える。ウサギが餅をついている。ように見える。科学的に考えると不思議なことだ。お月様はいつでも どこでも地球の方を見てくれているのだ。すなわち月の自転周期と地球を回る公転周期はともに27.32日で全く同じということだ。


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いつも地球から見ている月の表側。(wiki)


月と地球の関係を、地球と太陽におきかえて考えるみる。地球上の国々は、昼間の国と夜の国とに分かれており、昼間の国では、いつも朝だけの国、お昼だけの国、夕暮れの国に分かれる。一日の長さは一年であり、四季はなく、夏ばかりの国、春または秋ばかりの国、真っ暗で冬ばかりの国(冬の南極以上の寒さ)に分かれる。これ以上書いても意味がないのでこのぐらいやめておくが、とにかく 地球と月の関係はあたりまではなく、不思議である。

この不思議な話、理科や地学の時間でもちゃんと理由を教えてもらった記憶がない。ネットでいろいろ調べてみると原因は月の重心が月の自転軸(地軸)に対して地球側に偏心して存在していることに原因があるらしい。月の形が完全な球形ではなく地球側に出っ張っていること、また 月の表面が地球側(表側)と裏側では全く様相が違うことから月の構成成分も違い、地球側に重心が偏っていることがわかる。この重心の偏りにより 月の公転周期と自転周期は同じ周期に収束したと考えられている。すなわち、月の重心が常に地球と最短距離にあるように二つの周期が収束したのである。逆に、地球の引力によりこのような形に月が変形したともいえる。太陽系の他の惑星、衛星の間でもこの現象がみられるようである。


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いつもは見れない地球の裏側。1959年に人類は初めてこの光景を見ることができた。(wiki)


月の直径は、地球の1/4もあり、他の太陽系の衛星と比べて非常に大きい。月を地球の衛星ではなく、地球と兄弟衛星と考える見方もあるという。その月の引力により、地球の自転軸は太陽の周りを回る公転軌道と66.6°の傾きを維持し安定している。おかげで、地球には四季がある。また、地球の公転軌道は、月の質量の影響をうけ、地球と月を合わせた重心点が太陽の周りを公転していると考えられる。この重心点は、地球単体の重心から4600kmずれている。すなわち地球が太陽の周りを回る軌道は、きれいな円ではなく、月の位置の影響によりふらふらしながら太陽の周りを回っているようである。

月の公転周期と地球の自転周期もまた、同じ周期になるように今も変化し続けている。このため、月は地球から毎年3.5cm遠ざかっていることが最近分かってきている。アポロ計画で月に鏡を置いてきてくれたおかげで地球との距離がレーザー測長できるようになり測定精度が飛躍的に上がったそうだ。この変化は100億年後に終了する予定だ。これらの多体問題は、どこか人間関係や国際政治とも似ている。月の不思議は、まだまだある。興味はつきない。

posted by kogame3 at 11:12| Comment(0) | 日記

2015年02月13日

自宅屋根の再塗装

 寒風ふきすさむ中、いよいよ太陽光パネルの設置工事が始まる。その前に、25年間ほったらかしにしていた屋根瓦の再塗装が必要だ。

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さすがに屋根の上は怖いので作業はプロに頼むことにした。一日で家の周りを足場が囲った。

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パネルの設置予定の屋根。このスレートぶきの屋根と下の緑色の屋根の上に設置する予定である。

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まずは、高圧洗浄機でスレート瓦表面の掃除を行う。

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屋根の上から見た綿向山。いつもの景色とはちょっと違う感じがする。山頂付近は雪で覆われている。春はまだ遠い。
posted by kogame3 at 20:06| Comment(0) | DIY